あぶない家計簿 | 大阪市の創業支援ならコンフロント税理士法人(大阪市北区)(旧衣笠・いまい合同税理士事務所)

あぶない家計簿

今回は、最近読んだ書籍の話をします。何となく手に取った、「あぶない家計簿」という本の内容と感想と気づきについて述べたいと思います。基本的には、個人の家計の話ですが、法人に当てはめて考えてもいいと思います。

 

私が、結構昔から、常々思っていることがズバリ書かれていました。簡単に言いますと、裕福か貧困かを判断する上で重要な指標は、フロー(収入)ではなくストック(貯金)であるということです。

 

この本の中では、年収800万円くらい(中の上)の家計が一番貧困層だと書かれています。
理由は、とても簡単で慢性的に貯金ができない家計だからです。自分達は、中の上だという認識があり、不要なプライドも持ってしまうので、中の上なのに、ついついプチ贅沢をしてしまうのが原因です。
高価な無農薬野菜を食べてみたり、無意味なサプリを飲み続けたり、必要以上に教育に力を入れてみたり、お尻に優しいトイレットペーパーを使ってみたり、無意味に高い化粧品を使ってみたり、A4クラスで十分なのにA5クラスのお肉を食べてみたり・・・。その他、プチ贅沢は無数にあります。中の上なら、こういう贅沢な選択が出来てしまうことが厄介で、プチ贅沢が家計においてボディーブローになっています。

 

逆に、年収300万円~400万円の場合は、元々このような贅沢な選択肢はないため、賢く貯金をしています。年収800万円で子どもが数人いる家計は、ほとんど貯金ができず、毎月の赤字を賞与で穴埋めというのが実態のようです。それでも、なぜか世間では年収800万円の人の方が色んな地位や評価が高いように感じます。勿論、合コンなどでも狙われるのは、年収800万円の方でしょう。はっきり言えることは、それは間違いです。必ずしも年収=裕福ではないからです。なぜなら、人生の糧は、実はフローではなくストックだからです。人生最後に色んな意味で勝つのはストックの多い方です。
年収400万円、貯金1000万円の人と年収1000万円、貯金0円の人は、どちらが幸せでしょう?どちらが破綻しにくいでしょう?人それぞれ意見があると思いますので、この
議論はこのくらいにしておきます(笑)ただ、議論をする上で、ある一時点ではなく、長い人生で考えることがポイントだと思います。

 

このような話をした場合の反論は容易に想像できます。「せっかく頑張って働いているのだから、ある程度贅沢をしないとやる気が起きない」とか「お金は置いていても何も生まない」とか「稼ぐ力の方が大事」とか「そもそも貯金は嫌い」とか・・・(笑)すべて一理ある意見だと思いますが、このような格好良いことは、中の上のクラスを遥かに超えてから言うべきでしょう。

 

「人生100年時代。長生きはするけどお金はないではつまらなくないですか?」というようなキャッチフレーズの怪しいセミナーも見かけますが、この文章自体は合っていると思います。しかし、闇雲に怪しい事業を始めたり、変な投資をしたりして何とか収入を増やそうとする考えは間違っています。なぜなら、より重要なことはフローではなくストックだからです。意識をストックの方に向けるべきです。

 

100の家族があれば、100通りの家計になると思います。それぞれの事情があるため、すべてに当てはまる最善の方法はないと思います。しかし、来年から少し意識を変えることで、挽回は可能です。是非、「あぶない家計簿」を手に取ってみて下さい。ちなみに、今回お話したことは、「上」の方にも「上の上」の方にも当てはまる話だと思います。最後にもう一度。より重要なことは、フローではなくストックです。

 


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