もうすぐ3月決算、決算日までに、利益対策・節税対策の一環として、財産の状況を確認・整理してみよう!! | 大阪市の創業支援ならコンフロント税理士法人(大阪市北区)(旧衣笠・いまい合同税理士事務所)

もうすぐ3月決算、決算日までに、利益対策・節税対策の一環として、財産の状況を確認・整理してみよう!!

 

経営を続けていくと、貸借対照表の各勘定科目の数値が大きくなってきます。しかし、それらの中には、滞留債権、過剰な在庫や過大な固定資産、増加する借入金など、自社の財務体質を悪化させる要因となるものがあります。自社の財産(資産・負債)を洗い出し、必要があれば、決算日までに、売却や処分などをして、貸借対照表をスリム化し、財務体質を改善しましょう。

 

 

資産・負債を洗い出し整理する

(1)滞留債権はないか?
売掛金の回収遅れは、資金繰りの悪化を招きます。売掛金の中には、滞留しているものがないか確認し、その回収可能性を検討します。
①相手方に再請求書や督促状を送り、時効を中断させるとともに、回収に努める。
②支払督促の申立など法的手続きを検討する。
③回収が困難で、債権を放棄する場合は、決算日までに「債権放棄の通知」を相手方に発送する。

会社更生法や民事再生法などによって切り捨てられた金額や、得意先の資産状況や支払能力等から、債権の回収ができないことが明らかであれば、税務上は貸倒損失として処理することができます。売掛金の中には、すでに倒産、破産した会社の債権が残っていることもあります。この場合は、その事実が生じた事業年度に処理します。(貸倒損失の経理処理がなされていない場合は、申告期限から5年以内であれば更生の請求が可能です)。

 

(2)不良在庫はないか?
材料や商品の在庫切れ等による製造ラインへの影響や販売機会の喪失などを理由に、比較的多くの在庫を持つ会社もあります。
在庫の中には、処分すべき死蔵品やたなざらし品が長期間残っている場合は、決算日までに廃棄処理やセールなどで処分します。

 

(3) 使っていない固定資産はないか?
固定資産は、売却や除却が必要なものがないか、確認します。
例えば、すでに廃棄済の機械や車両等が、帳簿上は存在したままになっていないでしょうか。すでに存在していない固定資産については、除却損を計上します。
社内や工場の隅におかれたまま使っていない、使うことができないなど、今後事業に使用しない機械装置や器具・備品などについては、決算日までに廃棄し、処分業者から「廃棄証明書」を取得し、保存しておきます。

 

(4) 仮払金等の未精算はないか?
仮払金は、あくまで一時的に使用する勘定科目です。未精算のものはすぐに勘定して、取引内容に見合った適切な勘定科目(交際費、出張旅費、消耗品費など)に振り替えます。立替金は、取引先が負担すべき引落手数料や運送料、従業員の雇用保険料など会社が一時的に立て替える勘定科目です。立替金は、確定した金額を計上し、金銭によって必ず回収しますしょう。

 

(5) 役員からの借入金が多額ではないか?
役員からの借入金残高が多額になると、自己資本比率が悪化するだけでなく、役員に万一のことがあれば、役員からの借入金がそのまま相続財産として課税対象になります。役員が会社に対して債権を放棄することで、役員からの借入金を減らす方法もありますが、この場合、会社は、債務免除益を計上することになります。

 

(6) 長期に滞留している債務はないか?
長期間残っている買掛金や未払金について、督促もせず、支払う意思もないのであれば、消滅時効の2年間経過後に債務免除益として収益計上することになります。

 

 

日頃から適正に会計処理する体制が必要

 

一般に、赤字企業ほど、売上債権や固定資産、たな卸資産が過大であり、仮払金・立替金、会社と役員間の借入金・貸付金が多いなどB/Sが肥大化する傾向が見られます。反対に、黒字企業ほど、遊休資産の整理がきちんと行われて、B/Sがスリムな傾向があります。日頃から、適正な会計処理をして、遊休資産をも残さない仕組みづくりが必要です。

 

(1) 売掛金管理を徹底する
売掛金残高を得意先ごとに分析して、2~3か月も遅れているようであれば、得意先の事情か、自社の管理不足が考えられます。
半年以上の滞留であれば、深刻な事態がおこっている可能性もあります。
売掛金を発生ごとに一覧して分析する「売掛金年齢調べ」を行い、滞留債権の滞留状況を確認してみましょう。

 

(2) 定期的な在庫チェック
過剰在庫、不良在庫、商品の劣化・陳腐化など在庫の状態を把握し、適切に管理するためには、定期的な実地たな卸が必要です。
倉庫等に出向いて、現物の数量を数えたり、商品等の状態を目で見て、手にとるなどして在庫の現状を確認します。

 

(3) 精算ルールを明確に決める
仮払金や立替金などは、月次の決算、遅くても期末の決算までには必ず精算して、貸借対照表の資産の部に仮払金などの残高が計上されないように努めましょう。
精算については、精算期限を1週間などに設定する、毎週決まった曜日を精算日に設定するなど、社内ルールを整備しましょう。

 


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