税理士の年間スケジュール~税理士の繁忙期はいつ?~ | 大阪市の創業支援ならコンフロント税理士法人(大阪市北区)(旧衣笠・いまい合同税理士事務所)
税理士の年間スケジュールはどのようになっているかご存知でしょうか。なんとなくイメージでは年度末から確定申告時期などが忙しそうですが、実際はどんなことをしているのでしょうか。繁忙期と閑散期についてご紹介していきたいと思います。
繁忙期はいつ?
一般的には、11月から5月が繁忙期です。
繁忙期①:11月前半~1月前半
繁忙期②:1月後半~3月前半
繁忙期③:5月中
では、具体的にはどのような業務があるのでしょうか。
■繁忙期①:11月前半~1月前半
年末調整:クライアントの中には、年末調整を会計事務所や税理士法人へ依頼するケースがあります。年末調整の業務を実施する時期は12月と1月です。
■繁忙期②:1月後半~3月前半
個人の確定申告:毎年2月16日~3月15日までの間に個人事業主の確定申告書を作成し、税務署などへ提出します。通常業務と同時進行のため、最も忙しくなります。
■繁忙期③:5月中
決算:法人クライアントの決算月の末日の翌日から2カ月以内に法人税や消費税などの確定申告書を作成して税務署へ提出するため、毎年11月と5月に決算が集中します。中でも、5月の方が忙しくなります。
このように、税理士事務所にはクライアントである企業から、年末調整に関する依頼が続々とやってきます。その業務量がピークに達するのが12月~1月にかけての期間になることが多いです。
そして、年末調整が終わるころには、2月から始まる確定申告の業務の依頼が入ってきます。医師や弁護士などの資格保有者や個人事業主などが、それぞれ1年分の帳簿や経費の領収書を持ちこんでくるため、税理士の処理すべき業務量は一気に膨大なものとなります。事務所のスタッフも含めて残業や休日出勤をしなければ片付かない忙しい状況になります。さらには、経費に関する領収書や明細の整理から、会計ソフトへの入力作業、税務署への確定申告書の提出代行なども行うのです。
続いて5月には決算業務が入ってきます。
企業からの依頼で法人税の納税業務に関する代行作業もあり、多くの日本の企業は9月と3月が決算時期であるため、その場合は11月と5月までには決算作業を済ませ、納税しなければなりません。多くの企業の決算時期が一緒ですので、業務が集中するわけです。この時期とは別の決算期を設定しているクライアントがいれば、繁忙期の幅がより広がることでしょう。
上記の業務のほかに、「法定調書の作成と償却資産税の申告」業務があります。
クライアントの法定調書と償却資産税の申告は1月末日までに書類を作成し、税務署や市区町村などへ提出します。そのため、1月に業務が集中します。
法定調書の作成とは、賃貸物件の家賃や給料など特定の項目について、1年間の支払額と源泉徴収税額を税務署に対して報告するための書類の作成です。
一方、償却資産税の申告とは、自動車を除いた所有する動産の固定資産の明細書を作成し、市区町村へ提出することです。
あらゆる種類の膨大な税務書類を税務署へ提出しなければならないため、特に1月は繁忙期となります。
閑散期はいつ?
一般的には、4月と6月から10月までが閑散期です。
上記の繁忙期以外の期間は、通常業務も少なく、臨時業務であるとすると税務調査の立ち会いぐらいです。
では、具体的に通常のルーティン業務といわれているのはどのようなものがあるのでしょうか。
■年次決算
法人クライアントの法人税や消費税などの確定申告書の作成・提出
■巡回監査
クライアント企業へ出向いて、経理が正しいかどうかをチェックする業務
■月次決算
クライアントの経営者に対して正確な業績などを報告するため、月ベースで決算を行う業務
繁忙期とは打って変わって、かなり落ち着いたルーティンの毎日であり、定時に帰れることが多く、ライフワークバランスを取ることができる期間と言えます。
税理士の残業時間事情
税理士の1年の動きでは大きく繁忙期と閑散期に分かれ、小規模〜中堅事務所の場合は繁忙期の影響が業務の量だけでなく残業時間にも現れます。
繁忙期の時間外労働時間は、月に数十時間にのぼる上、休日出勤などもあり、事務所のクライアント数が多ければ、月100時間を超えることもあります。
また、専門特化事務所や大手・準大手事務所は、時期に関係なく忙しいです。
そんな忙しい税理士事務所のスタッフの中には、税理士資格の取得を目指している人も多くいます。スケジュールが組みやすい閑散期に集中して受験勉強を行い、毎年夏に行われる税理士試験に臨みます。
まとめ
日本の企業の決算時期、年末調整、確定申告時期は日本中の企業、個人事業主の依頼が集中するため、想像を絶する忙しさでしょう。
税理士事務所の繁忙期は、自分の時間が確保できないほど忙しく、事務所によっては家に帰ってもゆっくり休む時間がほとんどないこともあるそうです。
その一方で、繁忙期が過ぎれば定時で帰ることができる事務所も多くあるようです。
税理士事務所で働く方は、年間スケジュールを通してプライベートの予定調整や体調管理をする必要があると言えます。
事務所によって従業員の数も異なれば、クライアント数も異なるため、税理士事務所の繁忙期にどんな様子かを見て、実際の忙しさを判断すべきかもしれません。
依頼をするにせよ、就職するにせよ、繁忙期を終えた時期を狙うことも1つのポイントと言えそうです。