無料確定申告相談体験記 | 大阪市の創業支援ならコンフロント税理士法人(大阪市北区)(旧衣笠・いまい合同税理士事務所)
先日、税理士登録をして初めて無料確定申告無料相談会の相談員を行ってきました。市役所の大会議室を使って、確定申告についてのアドバイスを行いました。9時半にスタートし、間1時間休憩を頂き、15時過ぎには予定より少し早く終了しました。スタート前から数十人の方が待たれており、休憩以外は一息つく暇もなく、対応に追われました。数十人の税理士がそれぞれ1つのブースを担当し、立ったままで確定申告のアドバイスを行います。あくまでもアドバイスなので、税理士自らが確定申告書を作成することは出来ません。確定申告を出来る状態にしてうまくパソコンコーナーに誘う必要があります。パソコン自体にアレルギーのある方などは、横について手書きの指導をさせて頂きました。応じた相談内容は、様々でした。
「ここまで書いたのでチェックをして欲しい」「住宅を購入したが、全く分からないので教えて欲しい」「減価償却ってなんですか?」「副業でこれだけ収入があるのですが、どうしたらいいですか?会社にバレたくないのですが・・・」「これは経費になりますか?」「配当控除の計算方法について教えて下さい」「詳しくは税理士にご相談下さいと書いてあるので来ました」「去年、入院したので医療費が多くて・・・。税金返ってきませんか?」などなど・・・。終了した際は、社会貢献として一定の充実感は得ることはできましたが、何か違和感があることは否めません。その違和感の正体について考えてみました。
一般的に所得税の捕捉率(どのくらい税務署が所得を把握しているかを示した率)は低いと言われています。つまり、個人で所得がありながら申告をしていない人が多いということです。一般的にサラリーマンの所得は、隠すことはできません。勤務先の会社で年末調整を行うことで、確定申告は終了しております。問題は、給与所得以外に対する所得に関する把握とそれに対する課税だと思います。税務署主催の無料相談に来られている方々は、真面目で優秀な方だと思います。個人で行う小規模事業者であっても顧問税理士と契約されている方は、それ以上に真面目で優秀だと言えます。所得税は、サラリーマンと真面目な方々で支えられている税金と言っても過言ではないでしょう。
私が感じた違和感とは何だったのか?それは、個人所得税を確定申告制度によって維持していくことについての限界だったのだと思います。最近は、働き方が多様化しているため、特に自らの所得を税務署に申告するという方法自体に限界があると感じます。特に所得税については老若男女すべての方々に対する税金であるため、そもそも確定申告制度に無理があります。今後は、マイナンバーを駆使してシステマティックに課税をする仕組みは必要であり、実際にそうなっていくと思います。今回の確定申告より添付書類は大幅に減っています。マイナンバー管理に対する国の覚悟を感じます。また、税制全体に言えることですが、所得税については特に平易な仕組みにすべきであると思います。我々税理士が面倒と感じる業務を国民全体にお願いすることなどできるはずもありません。所得税の裾野を広げていくことにより、自然に税収は上がるのではないかと思います。所得税の捕捉率が上がれば、当然税収はアップします。その分消費税率が大幅に下がるという結論も十分に期待できると思っています。