倒産防止共済の内容や申込み手順について | 大阪市の創業支援ならコンフロント税理士法人(大阪市北区)(旧衣笠・いまい合同税理士事務所)

倒産防止共済の内容や申込み手順について

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)というシステムをご存知でしょうか?

中小企業の連鎖倒産を防ぐ目的で作られた制度で、なんと無担保、無保証人で借り入れることができるのです。

ここでは、その概要と申込方法についてお話します。

 

 

1.倒産防止共済とは?

 

中小企業にとって、最も注意しなければならない点の一つが取引先の倒産によって資金が回収できず、連鎖倒産に陥ることです。

 

自社に何の非もない場合でも連鎖的倒産または経営難になってしまう場合も多く、日本の企業の大部分をしめる中小企業が多く倒産してしまうことは国にとっても損失です。

そうした連鎖倒産を防ぐために作られたのが、倒産防止共済です。

 

昭和53年にスタートし、今や46万以上の事業者や企業が加入する大規模なシステムです。

 

加入は法人、または事業者が行うことができ、中小企業を基本的に対象にしています。

加入資格は業種によって異なりますが、概ね資本金5000万以下、従業員数100人以下と加入資格はかなり広いものとなっています。

 

いざ経営難となって借り入れを行う際には、「回収困難となった債権額」か「納付された掛金総額の10倍(8000万まで)」のいずれかを、無担保、無保証人、無利子で借りられます。

 

特に売掛金が回収不可能となった際には一刻も早く借りたいものですから、無担保、無保証人で借りられるというのは非常に嬉しい点ですね。

 

 

2.倒産防止共済のメリット

 

倒産防止共済への加入には多くのメリットがありますが、ここでは4つに大きく分けて解説します。

 

①無担保、無保証人で借りられる点

何よりも、この制度の特徴として、相手先が倒産した場合に無担保、無保証人で借りることができるという点が挙げられるでしょう。

 

相手先の倒産が分かり次第、速やかに融資を受けることができます。金融機関などと異なり、連鎖倒産を防ぐという目的の倒産防止共済ならではの特徴と言えるでしょう。

 

貸付を求めることのできる「倒産」とは、法的整理、私的整理、災害時の不渡りなど、倒産手続きや不渡りの大部分に適用されます。

災害時には不渡りが連鎖的に発生しやすいため、心強い点ですね。

 

ただ、夜逃げや内整理等といった法的な処理を経ない不渡りの場合、適用されない場合がありますので注意してください。

 

ちなみに、融資を受けた資金の返済期間は貸付額によって異なります。

5000万までは5年、5000万から6500万までは6年、6500万から上限の8000万までは7年となっています。

なお、最初の6ヶ月は支払いが猶予されます。これも、経営難の際には心強いシステムです。

 

②掛金を節税に利用できる

倒産防止共済に支払った金額は、法人であれば損金、個人事業主であれば必要経費として計上することができます。

 

リスクに備えながらも損金として税金から差し引くことができるのは、嬉しい点です。

 

ただ解約時の返金は所得として計算されますので、その点では気をつける必要があります。

 

③倒産がなくとも一時貸付金として資金調達できる

倒産防止共済は、倒産や不渡りと言った場合でなくとも、緊急で資金が必要になった場合に備えて一時貸付金という制度があります。

 

解約金の95%を上限に、年利0.9%という非常に優遇された金利での融資を受けることができます。しかも倒産防止の貸付金と同様に、無担保、無保証人で借り入れることができます。

 

④掛金は40ヶ月納めれば全額が返金される

倒産防止共済の利点として、解約が任意で行えるという点もあります。

倒産防止共済に支払った掛金は、40ヶ月が経過すると全額が返金されます。

 

ただ加入12ヶ月までは解約しても返金がないことと、12ヶ月から40ヶ月までは類型にもよりますが概ね80%の返金となります。

 

それでも掛け捨てではないので、加入に対してハードルが低く、優れていると言えます。

 

 

3.倒産防止共済に申し込むには

 

では、実際に倒産防止共済に申し込むにはどうすれば良いのでしょうか。

 

倒産防止共済の運営は、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が行っています。

倒産防止共済について疑問に思うことがあれば、中小企業基盤整備機構へ問い合わせてみるのが良いでしょう。

 

実際の申込みは、街の商工会、商工会議所または金融機関の本支店等で行うことができます。

 

申込みに際しては法人の場合、

①商業登記簿謄本または登記事項証明書の原本

②法人税の確定申告書(直近の決算書等の添付書類を含むもの)

③法人税の納税証明書

が必要です。

 

個人事業主の場合は

①所得税の確定申告書

②所得税の納税証明書

③確定申告書を作成するときに使用した帳簿等

が必要となります。

 

上記の公的書類の他に、中小機構様式の書類に記載し、書類を申し込み窓口に提出して下さい。

 

二ヶ月ほどで「共済契約締結証書」が送付されます。これは大切に保管して下さい。

 

 

4.最後に

 

倒産防止共済は、連鎖倒産を防ぐために国が出資して作ったシステムです。

大手の金融機関は、景気が良くないときほど資金を貸し渋ります。

 

商工中金などから資金を調達する方法もありますが、倒産防止共済は圧倒的にスピーディーで、連鎖倒産の危機がある場合に対応できます。

 

メリットが非常に多いシステムですので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

 


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