税理士事務所スタッフの経験値による違いはどこに出るか? | 衣笠・いまい合同税理士事務所

私は、税理士業界に入社して、15~16年になります。その間、滋賀、京都、大阪の事務所を経験しました。

勿論、私にも入社1年目はあり、当時から今までを振り返ってみて言えることがあります。それは、この業界に一人前はないということです。勿論、置かれている立場や任される仕事の内容により、人それぞれかもしれませんが、10年やろうが20年やろうが50年やろうが、常に知らないことの方が多いため一人前にはなれません。ニッチな専門的な仕事をしている方は、恐らくそのことは極めて良く知っていると思いますが、その他のことがカラッキシ駄目だと思います。それは一人前ではないと思います。つまり、私の一人前の基準は少し厳しいのかもしれませんが、世の中にある中華料理をすべて完璧に調理できてはじめて一人前の中華料理人と呼ぶイメージです。この基準でいきますと、そもそも税理士業界で一人前の人など存在しませんし、そして今後も存在しないと思います。つまり、すべてのことを知っている人など存在せず、結局は一つ一つ調べて前に進んでいくしかありません。

 

とは言え、入社5年目と入社20年目のスタッフは同じではありません。業界経験が違うため、当然に知恵や知識の量は赤ちゃんと大人くらい違ってきます。しかし、もっと明らかに違うことがあります。それは、経験がなせる業(わざ)を持っているということです。いわゆる白か黒かの感覚を持っているということです。「その経理ミスがどの程度、影響を及ぼすのか?」「その書類の提出失念がどの程度、影響を及ぼすのか?」「決算でのミスがどの程度悪いことなのか?」など一大事とまではいかなくとも、問題が発生した際の対応に大きく差が出てくると思います。法律に沿った正しい事を正しく伝えることについては、インターネットの普及とともに経験値の差は出にくくなっていると思います。しかし、インターネットには記載しにくいことを知っていることが大きな違いになると思います。「正しくは○〇です。しかし、私の経験からして〇〇についても限りなくリスクはありません」と言えるか言えないかは、とても大きなことです。

 

私もピカピカの1年生の時は、何百枚もの領収書をチェックし、〇十円違いますと指摘することを行い、そうあるべきだと信じていました。15年も経過するとそれは、お客様と我々を不幸にするだけのことと分かります。言葉は悪いですが、経験が浅いと自然に無意味な議論(指摘)が増えるため、年間経理総務に費やす時間が明らかに多くなるのは間違いないと思います。

 

税理士は、法律家です。法律に従って業務を遂行することは当然です。法律から外れたことを指南したり、許可することは絶対に出来ません。しかし、世の中には法律にも参考書籍にもインターネットにも書いていないことはあります。交差点に進入してから信号が黄色に変わっても止まる必要はないという感覚を持っている必要があると思います。それは、やはり多くの経験が必要だと思います。例え経験があっても、ハンドルの遊びのような感覚のない税理士、スタッフは、お客様にいらぬ時間と負担を与えていると思います。

 

税理士業で大切なことは、「知識(知恵)」、「経験」、「経験からくる遊び感覚」だと思います。

私は、お客様に何が起こっても、常にお客様の方を向いて、次の一手を茶目っ気たっぷりに言えるような人でありたいと思っています。

 


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