知っておきたい!中小企業事業主が利用可能な雇用関係助成金とは?

知っておきたい!中小企業事業主が利用可能な雇用関係助成金とは?

 

中小企業事業主であれば、ぜひ利用したい雇用関係助成金。2018年現在、50種類以上あります。要件を満たしていれば返済不要で受取可能だというのに、存在を知らず申請をしないのはもったいないです。そこで、雇用関係助成金の共通要件や種類をご紹介します。

 

雇用関係助成金とは?

 

日本では人口の減少と高齢化に伴って、労働人口は減少の一途をたどっています。売り手市場に加え、働き方改革もすすめられ、人材の確保や長期雇用には多くのコストがかかってしまうのが現状です。それらをサポートすることにより、労働者側にとっても雇用者側にとっても安定した雇用環境を実現することを目的として支給されるのが、雇用関係助成金なのです。

 

雇用関係の助成金は厚生労働省から支給されます。融資とは違い返済義務はなく、補助金と違い要件を満たせばほとんどの場合審査はなく受け取ることができます。ただし、補助金よりは申請から受給までの期間が長く、また補助金同様後払いです。
 

厚生労働省所管の助成金は受給確率が高い

 

国からの助成金は雇用に限らず様々ありますが、基準を満たすことが難しいものも多々あります。その中で厚生労働省所轄の助成金は、要件を満たし受給できる確率が高いとされています。

 

 

雇用関係助成金の共通要件

 

助成金によって細かい要件はありますが、大前提すべての雇用関係助成金を受給するために満たしておかなければならない要件は以下の通りです。

 

1 雇用保険適用事業所の事業主であること

 

2 支給のための審査に協力すること
(1)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
(2)支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
(3)管轄労働局等の実地調査を受け入れること
など

 

3 申請期間内に申請を行うこと
(申請期間は、原則申請が可能となった日から2ヶ月以内)

※厚生労働省発行のパンフレットより

またこれらの助成金の受給ができるのは「中小企業事業主」のみです。
雇用関係助成金における「中小企業事業主」の具体的な範囲は以下の通りです。

<小売業(飲食業含む)>
資本金 5,000万円以下 または 従業員数 50人以下
<卸売業>
資本金 1億円以下 または 従業員数 100人以下
<サービス業>
資本金 5,000万円以下 または 従業員数 100人以下
<その他業種>
資本金 3億円以下 または 従業員数 300人以下

 

 

雇用関係助成金を受給できない事業主

 

雇用関係助成金が受給できない事業主について、厚生労働省のHPからご紹介します。

 

1 不正受給をしてから3年以内に支給申請をした事業主、あるいは支給申請日後、支給決定日までの間に不正受給をした事業主

 

2 支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主(支給申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行った事業主を除く)

 

3 支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主

 

4 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主

 

5 事業主又は事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合

 

6 事業主又は事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合

 

7 支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主

 

8 不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主

 

 

 

雇用関係助成金の種類

 

50種類以上ある雇用関連助成金ですが、大きく7つに分類され、その中で細かいコースに分かれています。ここでは7分類と、それらに属する18の助成金の名称についてご紹介します。

 

A 雇用維持関係の助成金
名称:(1)雇用調整助成金
場合:労働者の雇用維持を図る

 

B  再就職支援関係の助成金
名称:(2)労働移動支援助成金
場合:離職する労働者の再就職支援を行う

 

C 雇入れ関係の助成金
名称:(3)特定求職者雇用開発助成金(4)トライアル雇用助成金
(5)地域雇用開発助成金
場合:新たに労働者を雇い入れる

 

D 起業支援関係の助成金
名称:(6)生涯現役起業支援助成金
場合:起業する

 

E 雇用環境の整備関係等の助成金
名称:(7)障害者雇用安定助成金(8)障害者作業施設設置等助成金
(9)障害者福祉施設設置等助成金(10)障害者介助等助成金
(11)重度障害者等通勤対策助成金
(12)重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金
(13)人材確保等支援助成金(14)通年雇用助成金
(15)65歳超雇用推進助成金(16)キャリアアップ助成金
場合:労働者の雇用環境の整備を図る

 

F 両立支援等関係の助成金
名称:(17)両立支援等助成金
場合:仕事と家庭の両立支援に取り組む

 

G 人材開発関係の助成金
名称:(18)人材開発支援助成金
場合:労働者の職業能力の向上を図る

 

 

最後に

 

詳しくは厚生労働省HP「事業主の方のための雇用関係助成金」に記載されています。
また各都道府県に問い合わせ先が設置されていますので、気になる点は問い合わせてみると良いでしょう。

 


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