節税商品に潜むリスクについて | 大阪市の創業支援ならコンフロント税理士法人(大阪市北区)(旧衣笠・いまい合同税理士事務所)

節税商品に潜むリスクについて

世の中で普通に売られていた節税保険が消える、いわゆるバレンタイン・ショックから1年以上が経過しました。これをチャンスと捉えて、節税保険の代わりとなる商品の開発に躍起になっている雰囲気を感じます。今回は、節税商品と呼ばれるものについて、その仕組みとリスクについて、独自目線でコメントしたいと思います。

今はなき節税保険と新しく生まれる節税商品の仕組みを簡単に解説しますと、下記通りです。

 

節税保険・・・支払い保険料がすべて経費になるにも関わらず、掛金相当額の返戻金があります。返戻金は、収入となるため、正しくは完全節税ではなく、課税を数年繰り延べる性格のものになります。

 

節税商品・・・1年もしくは短い期間で経費にできる大きな買い物を行い、その物から生まれる収入を得ます。短期で経費にし、長期で収入を得ていくイメージのものになります。

 

節税商品の仕組みは、ほぼ同じです。物が変わるだけです。主な商品についての特徴と実際に使えるスキームであるかについて纏めました。

 

購入商品 注意点、補足 使える度
コンテナ 最近、販売会社側が税務当局により指摘されている。 ×
コインパーキング 供給過多か!?収入面に不安。
LED 現在製造中の蛍光灯は製造禁止になる。LEDへの変更は不可避。会計処理については特に問題はないと考える。
オペレーションリース(航空機・船舶) 古くからある。売却時までの課税の繰り延べ。
マイニング機器 実損リスク高い。 ×
特区民泊 東京、大阪などホテルが不足している地域における収益性は高い。空室リスクあり。
海外不動産 海外においては、建物価値が高く、減価しにくい。富裕層の間では一番売れている!?日本の税務当局の指摘が入る可能性もある。
コインランドリー 地域によるが、供給過多か!?将来性、収益性に魅力があまりない。 ×
足場(レンタル・リース含む) そもそも足場1本ずつの評価に疑義がある。税務当局の指摘が入る可能性がある。 ×
ドロン 収益性が不透明か
中古トラック 主に物流業種に限られる。一般的な中古車両の購入スキームと同じ。
タワマン 主に相続税対策。完全にブロックはされていないため、一定の効果はある。

 

すべての商品に共通して言えることは、収益性(効果)ありきで考えるべきということです。お金を使って税金を減らすことは、節税ではなく、課税の繰り延べです。検討期間もなくそれを行う場合は、私は「ただのその場しのぎ」や「愚行」と呼んでいます。くれぐれも決算月になって、多額の納税が発覚し、焦って節税商品を購入するということがないように。それは、十中八九失敗します。

 

大切なことは、毎月利益を見ていくこと。1年かけて行う納税対策が本当の節税であり、その一つとして節税商品も検討されることが健全であり、失敗をしないコツだと言えます。魔法のように納税が減る方法はありません。もし、そのような商品が世の中に出現した時は、税務当局に刺されて終了するだけです。日本の税務行政は、先進諸国の中でも大変優秀です。経営者間の情報交換やネット情報などをすべて信用せず、疑義を感じた時は、必ず税理士へご相談下さい。


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